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[plamo:22301] FIVA206VLへ移行(備忘録)



東京農工大学の辰己です。

3月下旬に、IBM ThinkPad X24 の動作不良について相談に乗って頂きました皆
様、ありがとうございました。

現在、当該機は修理に出ています。

さて、その間モバイルマシンがないと困るので、2002年秋にハードウェア故障
の修理から戻ってきたまま放置されていたカシオFIVA 206VL(Crusoe 600MHz)
を使うことにしました。

当初は、修理期間中なので、やむなくプレインストールのWinMeでも…と思っ
ていましたが、やっぱり使いにくいので、MSから離れることにしました。

FIVAはCrusoe と Media GX という構成で、APMがなくACPIという構成のマシン
です。最初にこのマシンを手に入れた時は、Linuxはまともに動かなかったの
で、FreeBSD-5.0 CURRENT を導入し、毎日カーネルデバグに付き合いながら使っ
ていました。(その後、FIVAが故障し、ThinkPad X24を購入し、Plamoに戻る
のですが…。)

過去の経験を元に考えれば、ACPI ということで FreeBSD を入れるのが筋なの
ですが、Linuxの方もあれから2年経ち、ACPIが使えそうになってきましたので、
思い切って ThinkPad で使っていた Plamo3.3 入りの HDD をそのまま移植し、
FIVA で使えるように作業をしてみました。

このメールは、そのための備忘録です。

----------------------------------------

●必要なもの

lilo_22.5.8-6.diff.gz
lilo_22.5.8.orig.tar.gz
acpi-20040326-2.4.25.diff.bz2
linux-2.4.25.tar.gz
software-suspend-core-2.0-whole.bz2
software-suspend-core-2.0.0.37-incremental.bz2
software-suspend-linux-2.4.25-rev11-whole.bz2

●構築

1. まず、実メモリの2倍程度のswapが必要です。

2. FIVAのディスクでは古いLILOは動きません。

lilo_22.5.8.orig.tar.gz
をほどき、
lilo_22.5.8-6.diff.gz
を適用して、make installしてください。するとコケます。
アセンブラ関係が必要なので、Plamo-3.3/contribute などから探して
installpkg して入れて下さい。たしか dev86 と nasm を入れた記憶があります。
それでmake install しても、最後のテストのところでコケます。
FIVAがCrusoeだからなのかもしれません。でも、lilo は出来上がっているので、

mv /sbin/lilo{,.orig}
cp -p ./lilo /sbin

でインストール。

3. カーネルにパッチを当てます。

linux-2.4.25.tar.gz

をほどいて、以下の順にパッチを当てていきます。

acpi-20040326-2.4.25.diff.bz2
software-suspend-core-2.0-whole.bz2
software-suspend-core-2.0.0.37-incremental.bz2
software-suspend-linux-2.4.25-rev11-whole.bz2

4. menuconfigします。スワップと電源周りの設定は以下の通りです。

特に、swapパーティションの名前を設定する変数に注意です。
(CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_DEFAULT_RESUME2 の値)
これは、人によって全然違います。

#
# Software Suspend support
#
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_SWAPWRITER=y
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_NULLWRITER=y
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND2=y
# CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_GZIP_COMPRESSION is not set
# CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_LZF_COMPRESSION is not set
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_NULLTRANSFORMER=y
# CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_DEBUG is not set
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_KEEP_IMAGE=y
# CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_RELAXED_PROC is not set
CONFIG_SOFTWARE_SUSPEND_DEFAULT_RESUME2="swap:/dev/hda2"
# CONFIG_APM is not set

#
# ACPI Support
#
CONFIG_ACPI=y
CONFIG_ACPI_BOOT=y
CONFIG_ACPI_BUS=y
CONFIG_ACPI_INTERPRETER=y
CONFIG_ACPI_EC=y
CONFIG_ACPI_POWER=y
CONFIG_ACPI_PCI=y
CONFIG_ACPI_SLEEP=y
CONFIG_ACPI_SYSTEM=y
CONFIG_ACPI_AC=m
CONFIG_ACPI_BATTERY=m
CONFIG_ACPI_BUTTON=m
CONFIG_ACPI_FAN=m
CONFIG_ACPI_PROCESSOR=m
CONFIG_ACPI_THERMAL=m
CONFIG_ACPI_ASUS=m
# CONFIG_ACPI_TOSHIBA is not set
# CONFIG_ACPI_DEBUG is not set
CONFIG_ACPI_RELAXED_AML=y

5. さらに手でパッチを当てます。

kernel/power/proc.c
の53行目を、こんな風にコメントアウト、あるいは削除します。

/* #include <linux/kdb.h> */

これは、swsusp のML archive に4月3日頃に書いてありました。

6. /etc/lilo.conf を書き直します。

global sectionに、swapパーティションの名前

append="resume=/dev/hda2"

を追加して下さい。

7. make dep; make clean; make bzlilo します。

最後の make bzlilo で出来上がったカーネルのインストールでコケて止まりますので、
そこで、

cd /
/sbin/lilo -P ignore

でインストールして下さい。(古いliloはこれができない。)

8. その時にはいっているカーネルのバージョンのライブラリを削除し、
新しいモジュールを入れます。

make modules
rm /lib/modules/2.4.xx  ← xx はカーネルのバージョン
make modules_install

9. あとは reboot してください。

10. うまく起動(dmegsなどで確認)したら root でログインして、

  sync ; sleep 2 ; echo 4 > /proc/acpi/sleep

としてみて下さい。ハイバネします。もちろん、rootでなくても、
一般ユーザーでログインしてから、su しても大丈夫です。

11. ハイバネしたあと、電源を入れると、通常の起動のように動きますが、通
常 fsck がかかるところでハイバネからメモリロードをして戻ります。戻った
ら、システム時間がずれているので、内蔵時計を参照するためのコマンド

hwclock --hctosys ; date

を忘れないようにして下さい。このコマンドを入れると、X-Windowなどの場合
は、スクリーンセーバーが動きますが、タブやシフトキーにでも触れると戻り
ます。

とりあえずこんな感じで、Plamo 3.3 を元にしたシステムで、FIVA 206VL は、
非常に快適に使えるようになりました。


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