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[plamo:19325] Re: 東風フォントの公開中断



こじま@あまり脱線が過ぎると怒られそうだけど,最近は白川 静氏の文字学
関係の本も読んでいるので一言.

From: "Tadashi Nakamura" <tn_mls@hotmail.com>
Subject: [plamo:19319] Re: 東風フォントの公開中断
Date: Fri, 20 Jun 2003 07:19:18 +0900

> 1つの Object に対して、1つのアイコンを Symbol として対応させる
> というのが、中国系の文字の考え方の基本になっているように思います。
> そうすると、10兆個の Objects に対して、10兆個のアイコンを用意する
> 必要が生じます。実際に、中国系の文字は、そのような作業を数千年に
> かけて行ってきたのだろうと思います。

実際に使われている漢字の数は,甲骨・金文に出てくるものが約四千数百,字
書の濫觴である漢代の「説文解字」で 9353 字,明代の「字彙」で 33179 字,
清の康熈字典で 42174 字だそうだから,そうたいした数ではないですよ.

個人が使っている範囲だともっと狭くて,「論語」で 1355,「荘子」で 3185,
李白の詩で約 3560,白楽天で約 4600 程度なそうな.いわゆる「四書五経」
の四書の総字数でも 2317 字というから,実用的にはこのレベルで十二分では
ないかと.

また,いわゆるモノの形を symbolize した「象形」というのは,6 種(「象
形」,「指示」,「会意」,「形声」,「転注」,「仮借」)の漢字の作り方
の一つにすぎず,「説文解字」のうち象形・指示は約 735 字,会意まで含め
ても 1390 字だそうで,大多数は文字を音を表わす符号として使う形声字とい
うことです.

>  日本の人々が、中国系の文字にいつまでも執着する
> のは、果たして妥当でしょうか。元々借り物の文字なのですから
> 歴史のある段階では、さっさと捨てて、もっと便利な文字に移行する
> というような動きがあってもいいような??? といっても、あくまでも
> 話しを面白くするための考え方の一つですが。正確なことは知りませんが
> 確かハングルなどは、そうやって Systematic に作成された近代的な
> 言語だったと思います。
> すぐ隣りの国が、頑張ったのですから日本もどうですか?

白川 静「文字逍遥」からの引用ですが,

「(かって全ての「文字」は「ことば」と結びついたものだったが,民族の興
亡によって「文字」と「ことば」が切り離されて)文字は,その形象の含む本
来的な意味を離れて,音標化された.こうしてアルファベットが生まれる.ア
ルファベットの成立は,文字の大きな進歩とされるものであるが,しかしその
とき,ことばと文字との結合という古代文字のもつ最も本質的なものは失われ
た.そして漢字だけが,いまもなおその特質をもちつづけている.漢字はその
成立以来,三千数百年にわたって,そのことばとともに生きつづけ,中国の文
化,またその文化圏としての東洋の文化を培う土壌として尽きることのない生
命の源泉をなしている.」

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こじま

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References
[plamo:19310] Re: 東風フォントの公開中断, Tadashi Nakamura
[plamo:19312] Re: 東風フォントの公開中断, Shun-ichi TAHARA (田原 俊一)
[plamo:19319] Re: 東風フォントの公開中断, Tadashi Nakamura

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